スタイルはこうあるべきだという価値観にご注意を!
最近ふと思うのが、自分のスタイルを確立して維持することを美徳としている人が多い印象を受けます。
それも、無自覚に。
決して悪いことではありませんが、アイデンティティとして自分はこうあるべきだという価値観に縛られ過ぎてしまうと、自分の殻に閉じ籠ってしまい、間違った選択をしてしまう時があります。
誰しも「私は○○な人間です」って露骨に明言はしませんが、この人は○○な性格だと周囲の誰もがその印象を持っていますよね。
ちょっとわかりにくいので、具体例を出すと、真面目な人って「僕って真面目だから」ってわざわざ自分から言わないけど、周囲で関わる人達は彼の真面目な言動から真面目な性格だと共通認識を持っていますよね。
中には「僕君って真面目だよね」って会話で言ってくる人もいます。
思春期の時期に真面目だと言われて初めて「僕は真面目なんだ」って自覚する人もいるでしょう。
「自分は真面目な人間」ってアイデンティティを自分自身の中に確立したら、自分と向き合う時間も自ずと減るので楽で生きやすくなるし、周りに自分をアピールする時も「真面目って言われるから真面目な姿を見せとけば良い」ってよく考えずに無難に生活していけるので、精神衛生上も日常生活を送る上でも支障なく過ごせる生き方だと多くの人が当たり前に自然と受け入れていると思います。
ただ、その真面目な性質に固執し過ぎると、いずれ自分自身を苦しめることもあることを多くの人は知らないと思います。
例えば、真面目な人間がブラック企業に就職したと仮定します。
皆さんは、真面目な人間がどういう行動をすると推測されますか。
皆さんの頭の中では、長時間労働で睡眠時間が少なくて毎日苦しんでいるにも関わらず、心や体が壊れるまで働くのではないかと考えませんでしたか。
真面目だから退職や転職なんてできないよな、会社から言われた事を言われた通りに毎日仕事して長時間労働するのだろうな、って考えませんでしたか。
実は、真面目な人間自身も自分の頭の中で社会人だから長時間労働は当たり前だよなって納得して受け入れています。
おそらく、真面目な性格に引っ張られ過ぎてしまい、心と体を壊してから本当に後悔します。
真面目な人の思考だと、仕事は苦しいけど、せっかく新卒で就職できたし、辞めたら親にも迷惑かけてしまうし、ニートになったら生活していけないから怖い。
転職してもどこも同じだし、本当はやりたいことがあるんだけど、俺みたいな人間はここでないとやっていけないよな。
突然辞めたら同僚に迷惑かかるし、そもそも無職なんて恥ずかしいから、しんどいけど頑張ればそのうち楽になるだろう。
真面目過ぎると残りの人生を後悔の日々にしてしまうので、頭だけじゃなく性質にも柔軟性が大切だと考えます。
仕方のないことですが、ドラマや映画、小説の中で出てくる登場人物達にもキャラが確立していて、最初から最後まで性質に一貫性がありますよね。
メディアからの一方的な刷り込みにより、スタイルや性質を決めることを良しとする誰もが普段から意識していない風潮が世の中にあるとさえ考えます。
わかりやすいので「この人は真面目だから決して不真面目なことはしないよね」「この人は真面目だから私と関わらない時間も真面目なんだろう」ってレッテルを貼られてしまい、自分自身にもラベリングして真面目というステレオタイプを自分からアピールしています。
人に迷惑をかけない、自立できるようになる等、正しいあるべき真面目な価値観は推奨していくべきだと思います。
一方で、自分さえ良ければ良い、死ぬまで働け等、こういった価値観を真面目に同感するのは間違っていると思います。
私は価値観にも正しい悪いがあると考えます。
言いたいことは、正しい価値観を真面目に取り入れるのは良い事ですが、悪い価値観を真面目に真に受けるのだけは気をつけてほしいです。
最後に誤解だけはしてほしくないのが、真面目が良くないと言いたいのではないということです。
真面目な性格は、勉強やスポーツ、仕事をする上で重要な性質の1つです。
ただ、間違った方向に真面目さを発揮してしまわないように注意してほしいということです。